なにかがおかしい

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ゲーム制作ワークフローセミナー『GRAVITY DAZE 2』メイキング

1ヶ月ぶりの記事になります。

3月18日、御茶ノ水GRAVITY DAZE 2メイキングのセミナーが行われました。

1週間ほど経ってしまいましたが、そちらのレポートを綴っていきたいと思います。

 

ゲーム制作ワークフローセミナー第4弾 『GRAVITY DAZE 2』〜独特の世界観を生み出したCG による背景制作〜 & 「GRAVITY DAZE The Animation 〜Ouverture〜」アニメーションメイキングを2017年3月18日(土)東京・新御茶ノ水で開催 | ニュースリリース | 会社情報 | 株式会社Too

 

こちらのセミナー、倍率が高かったようで落選された方も多かったようです。

15時から開講し大きく3部に分けたセミナーとなっていました。

その内容は、

SHOTGUNのデモ

ゲームCG背景制作

アニメーションメイキング

となっていました。

 

まずSHOTGUN。これはプロジェクト管理ツールです。

area.autodesk.jp

SHOTGUN | Autodesk | 製品・サービス | 株式会社Too

 

ツールはクラウドサービスで、アップされた制作物にレビューを書きこむ機能が存在し、管理だけでなくコミュニケーションツールとして利用可能だそうです。

従来の管理ツール、スプレッドシートの問題点は、

最新ページがわかりづらい、重複データの整合性がとりにくい(ヒューマンエラー)、情報の共有漏れがある、動画などの素材管理が困難といったことがあげられるそうです。

SHOTGUNはこの問題点をカバーしたツールになっているようです。

ちなみにAmazon S3サーバーを利用していて、安全にファイルが保存ができるようになっているとのこと。

aws.amazon.com

またツールそのもののメタデータ、情報はTierpointというものを利用しているそうです。

Dallas - TierPoint

area.autodesk.jp

さらにIPアドレスによるアクセス制限であったり、スマートフォンでのワンタイムパスワード発行の二段階認証であったり、セキュリティには力を入れているようでした。

また、権限を与える対象を変えることでアクセスできる範囲を自在に変えることができます。(Administrator>Artist>Manager>Vendor>Custom)

 

そして、プロジェクトの成果物に対してフレーム毎のコメント・レビューができ、進捗状況を可視化できるのが特徴。

マイタスクで自分に与えられたタスクだけを表示できたり、Inboxの利用で自分にとって有益な情報をお知らせする機能があったりします。

またAPIによる開発環境の構築をPythonベースでサポートしているとのこと。

こういった情報は、

area.autodesk.jp

こちらで逐次更新しているとのことでした。

これが第1部の大体の内容です。

ただ多くの方は第2部、第3部をメインとして来場していたと思います。

第2部は独特の世界観を生み出したCGによる背景制作

SIEの方が登壇されての話でした。

まずアートコンセプトについて。

前作スケジュールによりカットされたカウガールのアンジェというキャラを、敵として出そうということになったそうです。

そこで、アンジェのデザインを膨らましていく作業があり、まずはカウガールと天使を組み合わせてはどうか?

カウガールといえば牛ということで牛柄と天使ではどうか?

更に牛の色からミルクとチョコと花言葉あどけなさのフリージアを組み合わせたらどうか?

天使といえばラッパだからラッパを武器にすれば?GRAVITY DAZEには同じ髪型の娘しかいない!お偉いさんに指摘されたから髪を短くカットなどと色んな過程があり、

最終的にはもともと一人だったアンジェが二人組の天使になったそうです。

ドルガ・アンジェ

http://dengekionline.com/elem/000/001/447/1447259/gravitydaze2_13_cs1w1_400x.jpg

 

カーリィ・アンジェ

http://dengekionline.com/elem/000/001/447/1447260/gravitydaze2_14_cs1w1_400x.jpg

dengekionline.com

画像は上の記事から引用しました。

 

元々GRAVITY DAZE2は2012年夏に前作同様VITAで発売することを企画されたのが始まりだったようですが、2014年初頭にPS4で発売することになったので、コンソール自体のスペックが上がり、表現の幅が広がったので画作りを変更することにしたそうです。

そこで目指すことになったのがグラフィックの"手描きっぽさ"。

これを実現するのに必要だったのが色味、省略。これによりメリハリが生まれ、実現できると考えたとのこと。

そこで3種のフォグを作ったそうです。

それがデプスフォグ、バックグラウンドフォグ、ボリュームフォグ。

この3つで、距離によって色が変化し、遠くのものが透過し、遠景に霧がかった表現を生み出しました。

そしてトーンカーブによるカラーコントロールを調整することで様々なシーンの色味を変えられるように。

これらを利用することで手描きっぽさの実現が可能になりました。

 

 

と色々レポートを書いてきたのですが・・・。

調べてみると既に大阪で同じセミナーが行われていたらしく、ファミ通が記事にしていたので、この先は下の記事を参考にしてください。

セミナーでは撮影NGでしたが、下の記事だと写真も豊富にあるのでわかりやすいと思います。

www.hmv.co.jp

とりあえず2部で大事だったことは、

技術は目的ではなく手段ということ。

 

最後の3部は、スタジオカラーによるアニメーションメイキング

www.youtube.com

www.youtube.com

www.jp.playstation.com

www.animatetimes.com

そもそもSIEとスタジオカラーとの出会いは偶然だったようです。

 

SIEの和家佐氏とスタジオカラー小林氏は共通の知人のコザキユースケ氏を通じて偶然知り合い、小林氏がGRAVITY DAZEのファンであったことからちょくちょくお互い仕事場に遊びに行くことをしていたそうです。

そんな中でSIE側が2を作るにあたり、CG制作スタジオを探すことになり、カラーに当たってみたところOKがもらえ、カラーがゲーム制作に携わることになったようです。

そして2015年8月にアニメを作る話が生まれ、せっかくだったらカラーに作ってもらおうと思い、掛け合ったところ、たまたまスケジュールが空いていたので出来ることになったそうです。

ただアニメを作るのにはある問題があり、それはアニメの現場では3ds maxを使った制作が主流で、他の3ds maxを使ったスタジオに協力を求めたのですが、残念ながらスケジュールの関係でどこも入るのが困難だったそう。

そこで色々な関係筋に当たったところ、たまたまMayaでならば作れますというスタジオが見つかり、カラーとしてはゲームのCGではMayaを使った経験があったことから、今回は3ds maxではなくMayaで挑戦してみようということになったという経緯が。

こだわったのはアニメらしさ。アニメは止め絵ではなく動きを重視。

そこでCGでは様々な動きができるように対応。

現実では出来ない動きも可能に。

アニメはバランスを崩すことで、動きを表現するので、有り得ないCGがたくさん出来て、それを自分で保存して楽しんでいたようでした。

実際にいくつかCGを見せていただけましたが、確かに顔の骨格がおかしかったです。

またトリガーの雨宮哲氏がかなりこだわりをみせていたようです。

進行には1部で案内があったShotgunを活用し、特にフレーム毎にレビュー、コメントが出来る機能がよかったとおっしゃってました。

最後にスタジオカラーから自社の紹介があり、

アニメーター見本市のカセットガール。

animatorexpo.com

 

日本アニメ(ーター)見本市資料集Vol.3 「カセットガール 全記録全集」

日本アニメ(ーター)見本市資料集Vol.3 「カセットガール 全記録全集」

 

 

龍の歯医者

www.nhk.or.jp

 

前編・天狗虫編
 

 

後編・殺戮虫編

後編・殺戮虫編

 

 

そしてシン・ゴジラ

shin-godzilla.jp

シン・ゴジラ Blu-ray2枚組

シン・ゴジラ Blu-ray2枚組

 

 

 

シン・ゴジラ DVD2枚組

シン・ゴジラ DVD2枚組

 

 最後にあの作品の話が・・・。

 

次回 シン・エヴァンゲリオン劇場版

 

制作中とのこと。